涙あり、笑いあり…。私達に感動を与えてくれた庶民の娯楽の殿堂★映画館。
街の映画館は、巷の文化の発信基地でもありました。
映画は20世紀に誕生した、最大のそして最後の総合芸術なのだから、
既存の芸術と地域の文化活動を取り上げて映画に対する新しいアプローチを
試みなければいけない。というコンセプトで発行した「月刊ウインド」が250号を迎え、2008年「新潟日報文化賞」を受賞しました。
全国でも珍しい市民映画劇場シネ・ウインドを立ち上げた齋藤正行さんの映画に対する情熱は、この受賞にとどまることはなく、
受賞を記念して「新潟県の映画館と観客史」の企画がスタートさせました。
編集スタッフは映画が飯より好きという素人集団。スタッフの一員として新潟大学の学生も入っていました。映画館にまつわる情報を集めるのは、人々の雑多な記憶をかき集めるに等しい大変な労作業だったに違いない。
ボランティで取材・編集作業に携わってきたスタッフのみなさんに、最大の敬意とエールを贈りたい気持ちです。私もささやかながら、見開き1ページ分の原稿と、何枚かの写真とイラストを寄稿させていただきました。
映画館百年の歴史は、映画館だけの歴史ではありません。そこの街、そこの人たちの営み、その土地の記憶などがからみ合って存在しています。
丁度、平成の大合併と時を同じくして取材作業が進行しました。地名がなくなるとは、そこの歴史・文化、つまり営みが消されるに等しい。
その想いが一冊の本として結実して出来上がりました。
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