JAM・セッション

2000年4月25日新潟日報夕刊に掲載したコラム【晴雨計】13回目



 メディア芸術の関連業界デビューを目指す新潟の発進基地を目指して、JAM/日本アニメ・マンガ専門学校が、今年の4月新潟駅南口にオープンした。同専門学校はアニメーション、マンガ、声優、ゲーム、デジタル映像、照明・サウンド等々、各専門分野を志す学生にそのノウハウを教えるユニークな学校として設立された。オープニングイベントとして「JAM・スクランブル・セッション」が開催され、熱い交流の4日間が終わった。
 このイベントでは、学科という枠を超え、様々な志向をもった学生たちが互いの交流を広げると共に、これから学ぶための学習意欲をしっかりもってもらうというねらいが含まれていた。
SCRAMBLE(ごちゃまぜにする) SESSION(授業、期間)は午前中、コンピュータ入門、発想法講座、クロッキー、シアターゲーム、絵の具マジックなどの選択講座があり、午後からは業界の第一線で活躍している、ドラゴンZボールの悟空の声でおなじみの声優・野沢雅子さんを始めテレビプロデューサー、アニメ監督、コミック誌の編集長、ゲームや映像のクリエイターなど6人の多才な現役プロの方々から、業界の情報や、夢を実現するための心構えについてなどの講演が四日間連続で行われた。
 戦後の貧しい時代に生まれ、子供たちに大きな影響を与えながら成長・拡大してきたマンガやアニメは、今や日本独自の文化・産業として世界に認められまでに成長した。ディズニーでさえ手塚治虫氏の「ジャングル大帝」の焼き直しで「ライオンキング」を制作するくらいである。新潟は赤塚不二夫、水島新司をはじめ数多くのマンガ家を輩出しているマンガ王国でもある。日本に追いつけとばかりに韓国は、国をあげてクリエイターの育成に力を注いでいると聞く。一方ではマンガやアニメを目指す者の特質として専門分野には強いが、他の分野には弱いという傾向がある。学生時代は旺盛な好奇心を発揮して、自己の可能性に挑戦していってほしいものである。


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